隠忍伝説(サイドストーリー)
愛する人のために
novc 作
僕が使う『裏密教封魔紫炎流』は妖怪を退治するために作られたものだ。
それをじっちゃんに小さい頃から仕込まれた。
その修行は厳しくて、厳しくて…………
何回か死にかけたことがあったよ。
結局、最後は逃げ出しちゃったけどね。
でも、この『裏密教封魔紫炎流』は強力すぎる流派だと思う。
妖怪を退治するためだけに作られたものだから……どの技も確実に仕留める『必殺』を念頭に置かれている。
自分で使って恐怖すら覚えることもあった。
…………その無惨に砕け散った妖怪を見て…………僕はなんて、恐ろしい術をつかったのかと。
場合によっては、なにも残らないこともある……そこに存在したこと事態を否定するかのように……
紫炎流は、誰がなにを思って作ったかわからないけど…………少なくとも『平和』を願って作られたはずだ。
何年も、何代もかけて。
……もし紫炎流が殺戮の為だけに作られたなんてしたら悲しすぎるよ……
結果として殺戮になってしまうかもしれないけど……………………『平和』の為に使われるべきだ。
いや…………愛する人を護るために使うべきだ!!!
少なくとも僕は、そう考えたいし、そう使いたい。
…………僕の愛する人のために…………
もし、その結果、地獄に堕ちたとしても、愛する人を護ることが出来たのなら…………
僕は喜んで地獄に行くよ!!!!!
だから今日も愛する人を護るために、僕は『裏密教封魔紫炎流』をふるう。
愛する…………秘女乃のために…………
あとがき
久々に、一人称形式でシリアスが書きたくなり……できあがったのがコレです。
もの凄くショートですが、個人的には気に入っています。
novc
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